モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第17章 拒絶反応と太刀川隊
レポートや報告書の件で固まった2人は、更に部屋が綺麗になっている事にも気付いて開いた口が塞がらなくなっていた。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ...これ全部慶がやったのか?」
「そんな訳ないじゃないですか。僕も手伝いましたよ。と言っても散らかってたゴミを捨てて、必要な物を片付けただけですけど」
「いや、十分だろう。で、レポートと報告書は誰が?」
「報告書は太刀川さんが、レポートは2人でやりました。そんなに大変じゃないのですぐ終わりましたよ」
「そ、そうか。ならいいんだ。取り敢えずレポートと報告書は貰って行く。慶が起きたら近いうちにまた手合わせしようと伝えておいてくれ」
「了解です」
そう言って部屋から出て行った忍田さんからは少し嬉しそうな雰囲気が出ていた。
その後風間さんも朝食調達に加わり、喋りながら購買へ向かう。まだ朝早いが、チラホラと人影が見える。中には学生隊員もいる。
購買に着き、3人分の朝食を買って再び隊室へと戻る。ドアを開けばオペレーターの国近先輩が既に出勤していた。
「お?風間さんと...確か藤咲さんだね〜。おはよ〜ございま〜す」
成程、これがゆるふわ系女子。可愛い。
「邪魔するぞ国近。藤咲も入れ」
「あ、はい」
「遠慮しないでね〜。そう言えば太刀川さんは何でこんな所で寝てるんですか〜?」
「レポートと報告書が終わってすぐに寝たらしい」
「え、あの太刀川さんが?レポートと報告書終わらせたんですか?期限までに?」
国近先輩からゆるふわが消えた。え、そんなに凄い事なの?
「そうだ。藤咲が手伝ったらしい。礼を言っておけ」
「藤咲さんが?わぁ♪ありがと〜♪きっと部屋が綺麗になってるのも藤咲さんがやってくれたんでしょ〜?ホントありがと〜♪」
「え、いや、あの」
国近先輩のありがとうラッシュに気押され、「これからもお願い!」と言われ反射的に「はい」と答えた時は既に諦めていた。
少し騒がしかったのか太刀川さんが目を覚ました。
「ん...あれ?かざまさん?くにちかもいんじゃん」
「おはようございま〜す!レポートと報告書お疲れ様です!やれば出来るじゃないですか〜!」
「忍田さんが近いうちにまた手合わせしようと言ってましたよ」
「マジで!?やりぃ!」
寝起きにも関わらず元気一杯の太刀川さんに国近先輩も加わって、みんなで楽しく朝食を食べた。
