モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第17章 拒絶反応と太刀川隊
「ウチに泊まればいいじゃん」
太刀川さんのその発言に、僕は固まる。
ウチってどこ?隊室?それとも太刀川さんの家?と言うかそもそも僕は仮眠室に...
「さっき仮眠室行こうと思って覗いたらさ、解析班やらエンジニアの人達がほぼ貸切で空いてなかったんだよな。多分侵攻の後処理で忙しいから、交代制で寝てんじゃねーの?」
なるほど。それなら納得できる気がする。あれ?じゃあ僕が泊まれる場所って必然的に...
「俺のとこ来いよ。俺も泊まってくつもりだったし、ベッドは出水か唯我の使って構わねぇから」
ですよね。やっぱそうだよね。流石に家には呼ばないよね良かった。
ホッと胸を撫で下ろすと、太刀川さんがニヤッと笑い、僕を揶揄う。
「なんだ?俺の家だと思ってたのか?」
「違います!いや、違わないのか...?て言うか、「ウチに来いよ」って言うからどっちかわかんなかったんですよ!」
「わかってるよ。そう怒んな。で?どうすんだ?」
「お言葉に甘えさせてもらいます!行く宛無いんで」
少し不機嫌気味にそう言えば、カラカラと笑いながら了承してくれた。
残りのサンドウィッチを食べ終え、太刀川さんに付いて行く。隊室が並ぶ階は未だに覚えられず、どの隊がどこなのかわからない。
「着いたぞ。結構散らかってるから足元気ぃつけてくれや」
「あ、はい。お邪魔しま...うわぁ...」
隊室に入るなり視界に飛び込んできたのは足の踏み場のない床。ゲーム機やらお菓子の食べガラなどが散乱していた。
「これは酷い」
「悪かったな。これでも片付けてんだぜ?出水が」
「何で公平君だけ片付けしてるんですか。太刀川さんも片付けしましょうよ」
「えー、面倒臭い」
「今なら僕も手伝いますから」
「...わかった」
取り敢えず、お菓子の食べガラを一箇所に集め、ゲーム機はコードをまとめて本体とセットで置いておく。散らばっている書類やレポート用紙はテーブルへ。
太刀川さんには物を退かした所の掃除機をかけて貰う。途中Gが出たりしたが割愛しよう。
お菓子の食べカスや埃や髪の毛が無くなり、部屋は見違えるほど綺麗になった。
「多少はマシになりましたね。後はテーブルや棚の整理したら終わりですよ」
「はーい」
小さい子供と一緒に片付けをしている気分になりながら、部屋全体の掃除が終わる。部屋を見渡せば、隊室の元の広さがよくわかった。
