モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第16章 #最終決戦と大事な人
トリオン体に換装した男性は、隊服の一部であろうマントを僕にかけた。
「友人に見られるのは嫌だろう?」
「...どうも」
突然の気遣いに少し戸惑いながらも、マントを羽織る。もう暫く動けそうにないが、頑張ってブラウスだけでも着ないと...
「手伝ってやろうか?」
「結構です」
「早くしないと友人達が来るぞ?」
「......」
「意地っ張りだな」
男性が少し遠くにあった僕のブラを取ってくれる。
「どうも」
マントの下でごそごそとブラを着ける。
丁度ブラを着けたとき、扉が勢いよく開かれた。
「明希!!」
「陽介君...秀ちゃんに公平君まで...」
「おま...マント...!」
マントで上が隠れているため見えていないが、制服のリボンとブラウス、乱れたベッドのせいで上は裸だと思われているようだ。
「よくここがわかったな」
「根性で見つけ出してやったぜ!明希を返して貰うぞ!」
「こいつは私の物だ。もう手も出したしな」
涙目で俯いている僕を見て陽介君達がキレる。
「てめぇっ!!」
「何だ?悔しいか?」
「当たり前だろうが!大事なダチを守れねぇで、挙げ句に手ぇ出されてんだぞ!」
「お前は絶対に許さない」
「蜂の巣にしたあとバラバラにしてやるよ」
3人が僕を大事に思ってくれてるのがひしひしと伝わって来る。僕は良い友達に恵まれたなぁ。
4人が睨み合いをしているうちに、残りの制服を取って着替える。制服のカーディガンの中にトリガーが入っているのを確認して、それを起動すれば身体の違和感と痛みはなくなった。
「バイパー」
「!」
後ろから男性に攻撃を繰り出す。咄嗟に数匹の鳥でカバーするが、僕の弾数には勝てず身体に穴が開いた。
それに乗じて公平君のアステロイド、秀ちゃんのバイパー、陽介君の幻陽弧月で男性は生身になった。
「先程はどうも好き勝手してくれましたね」
「隙だらけのお前が悪いだろう」
「はぁ?寝てる僕に薬盛った貴方が悪いでしょう?だいたい寝てたの貴方が鳩尾殴ったからですよ?元凶は貴方じゃないですか。反省してください。何なら首飛ばしてもいいんですよ?」
「...すまなかった。だが、手を出した事は悪いと思ってない」
「ふざけんな反省しやがれ」
一瞬シュウに入れ替り、鳩尾と大事なところを全力で蹴ってやった。気絶した男性はそのまま放置だ。
「あー、スッキリした」
