モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第16章 #最終決戦と大事な人

青髪の男性を沈め、女性も同じ部屋に放り込む。
陽介君達を部屋まで案内してくれたヴィザさんにはちゃんと挨拶とお礼をしておく。
「ヴィザさん、ありがとうございました」
「お互い様ですよ。私も、お嬢さんにはお世話になりました。今度は個人的にこちらにお邪魔してもよろしいですかな?」
「ヴィザさんならぜひ!いつでもお待ちしてますよ!」
ヴィザさんと今度会おうと約束を取り付け、さようならと手を降り別れる。
ゲートから出るとバチバチと音を立てて消え、外の戦闘音は聞こえず、青く澄んだ空が広がっていた。
「みんな、待たせてごめんね。挨拶終わったよ」
「じゃあ、本部に行くぞ。報告は俺達がするから、明希は医務室で身体検査受けて来い」
「...うん」
暫く生身の身体を触られたくない。生身に戻れば身体の違和感や痛みに襲われる。
今はトリオン体だからそう言ったものは感じないが、3人とも配慮してかあまり触らないように気を付けているのがわかる。
緑川君を含めた5人で本部へ到着し、僕は医務室へ、4人は会議室へと向かう。
医務室での検査はすぐに終わり、生身の状態で身体の異常や、違和感についての応診を受けただけで終わった。
医務室を出れば、悠一が向かいの壁に凭れて立っていた。
「悠一?」
「!明希!!大丈夫か!?」
かなり慌てた様子で僕に駆け寄る。取り敢えず落ち着くように言い、大丈夫だと伝える。
「...助けに行けなくて悪かった。怖い思いさせてごめんな」
「大丈夫だよ。悠一は悪くないんだから謝らないで?」
「でも...」
「そうだ!蓮琉が帰って来たんだよ!早く玉狛に帰ろう?」
「...あぁ」
尚も謝ろうとする悠一の言葉を遮って、「僕は大丈夫だよ」と笑顔で振る舞う。
大好きな人には暗い顔でいてほしくないから、僕が我慢して悠一が笑顔になってくれるなら、いくらでも我慢する。我慢は大の得意だから。
「ねぇ悠一。この事は誰にも言わないでね?」
「わかってる。出水達にも口外しないように命令出されてるから、安心して」
「うん、ありがとう」
そこからは今回の侵攻がどの程度のものだったのかや、各地区への被害について聞いた。C級の子達は浚われずに済んだが、本部を襲撃した人型によって職員が数名殉職したそうだ。
僕は負傷者扱いになるらしく、暫く任務には就けないらしい。
また、迷惑かけちゃったな...
