第1章 1年目
「そんな…?!ちょっと、待ってください!」
私は思わず立ち上がって声を荒げていた。
「落ち着いてください」と妖精さんが私をたしなめる。
彼女は静かな口調でこう続けた。
「何も彼のことが憎くて言っているわけではないのです。彼が立派な志を持ったレジスタンスの一員であることは、私たちもよく知っています」
だったらどうして、という私の心を知っているとでも言うように、彼女は私の瞳の奥を覗き込んでくる。
「戦闘する貴銃士に加護を与え、ダメージを軽減すること。これが私たちの役目であることは、マスターさんもよくご存知だと思います」
私が頷くのを確認して、彼女は続ける。
「ですが世界帝軍による環境破壊が進んだ今、私たちの数が減少してきることも事実なのです」
彼女は少し悲しそうに言う。私は相槌を入れる代わりに頷いて彼女の話を促した。