第3章 3年目
「あぁ、マスター。マスターも星を見にきたのかい?」
振り向いた彼に半分嘘の頷きを返す。
「星を見てると忘れられそうに思えてくるんだ。…いつまで経っても絶対高貴になれない自分のこととか。」
言葉の代わりに、じっと彼を見つめる。悔しそうに唇を噛むその姿さえ、私の好きな彼の一部だった。
「でも、忘れないで欲しい、マスター。例え僕が絶対高貴になれなくても、僕が他の貴銃士たちと目的を同じくするレジスタンスの一員だってこと。」
当たり前だよ。ちゃんと分かってるよ。そんな思いを込めた微笑みと頷きは、果たして彼に伝わったのか。