• テキストサイズ

[千銃士]惚れた弱みもなんとやら

第2章 2年目


妖精さんとのこの契約は、貴銃士は勿論恭遠さんすら知らない。
たった一人の貴銃士のためだけに妖精さんと契約を結ぶマスターだなんて前代未聞だろう。私はこの契約のことを誰にも言わないという条件で、彼に加護を与えてもらっていた。

私は病院に運び込まれたが、いくら検査しても原因は分からなかった。声が出なくなっただけではマスターとしての仕事にさほど影響もないだろうということで、私は再び基地に送り返された。レジスタンスの皆は、私の声が出なくなったのはマスターとしての重い任務と責任からくるストレスではないかと口々に噂した。
何て言われても良かった。そんな噂は好都合ですらあった。
声が出なければ、もう彼に要らぬことを口走ってしまうこともない。そう、これで、良かったのだ。何度もそう言い聞かせた。
私はむしろ幸せですらあった。
/ 33ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp