第2章 2年目
「もう一年前とは違うんですよ、髪は時間が経てばまた伸びますけど…」
妖精さんはそう私に言い聞かせた。
世界帝軍との闘いは日々激しさを増している。
古銃である皆も訓練を積み自らを強化している分、それに応戦する敵も強さを増してきていた。
代償が今までのようなものでは済まされないことを、私は何となくだが理解していた。
恐らくそれが、妖精さんの言う通り、もう戻ってくることのないものであることも。
それでも私は、構いません、お願いしますと言い続けた。
彼のためなら、彼と一緒にいるためなら、何を失っても惜しくないと思った。