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[千銃士]惚れた弱みもなんとやら

第2章 2年目


「お陰様で、怪我はもうすっかりいいよ。
ところで…シャルルが絶対高貴になれたんだってね。明日、お祝いを言っておかなくちゃね、同じフランスの銃として誇らしい限りだよ」
暗闇の中から彼が微笑みかける。私もぎこちない笑みを返した。
「僕が最後になってしまうなんて…」
彼が悔しげに呟いた。確かに彼の言う通り、この基地で絶対高貴に目覚めていない古銃は彼だけになっていた。
私は必死にかける言葉を探した。
「…焦らなくてもいいんですよ、あんなに毎日頑張ってらっしゃるんです、きっと無駄にはなりません」
自分でも顔が真っ赤になっているのが分かった。一年一緒にいてもこうして話しかける時には緊張してしまう。
(これが、好きになるっていうことなのかな?)
恥ずかしさに耐えられなくなり、おやすみなさいと早口に言って立ち去ろうとした時、部屋の中の彼に呼び止められた。
「ねえ」

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