第2章 2年目
シャルルが絶対高貴に目覚めたお祝いの、ささやかなパーティーが終わった後、私は一人の貴銃士の部屋を訪ねる。
「シャスポーさん…?」
暗い部屋には明かりも点いていなかった。
「…あぁ、マスター…心配かけてすまない。食事なら要らないよ、今夜は、もう眠りたいんだ…」
弱々しい声がかえってきて、私はひどく不安になる。
「…そんなこと言っちゃ、駄目です。少しでもいいから何か食べないと。パンとスープ、ここに置いておきますから…」
入り口付近のサイドテーブルに食事を載せたトレイを置いたものの、私は部屋に足を踏み入れることが出来ず、廊下から話し続けた。