第5章 逆巻レイジ
「つ!?」
っと急な衝撃に息を呑む
サッと身体を起こすともう服とは言えないそれを手繰り寄せ乱れた胸元を隠す
「私には見せたくないと?」
とつぶやかれた言葉がうまく聞こえず
「へっ?」
っと間抜けな声を上げたと同時にまた押し倒されレイジの唇によって口は塞がれる
「んん⁉︎⁉︎」
パニックになる私をよそに初めからねじ込まれた舌
耳を塞がれピチャピチャと響く音に頭がいっぱいになる
撫で上げられる口内にゾワっとした何かが駆け巡る
少しずつ穏やかになっていくキスの合間
何かを我慢するようにぎゅっと握りしめたそれがドレスだったのに気づいたレイジは耳を塞いでいた手を移動させ簡単に手を解いてしまう
「やっ」
反射的に口から出る否定の言葉と抵抗する手に
「に拒否権などありません」
といとも簡単に抑えつけられる
首筋からそっと落ちてくる唇が時たま牙をのぞかせ肌を撫でる
震える肌を拭いにチュッと吸い上げる感覚にビクビクと跳ね上がる
吸血行為でもないそれはピリッとした痛みはあるものの血は流れずそこだけ少し熱が出たように少し違和感がある程度だった
胸元で止まった唇はアヤトのように決定的なそこに触れることはせず
周りを舐めたりちゅっと音を立て吸いあげるのみだった