第6章 フリーダムアカデミー
「ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」
「…先生、やっと起きたんですか」
「本鈴きっかり起きただろ」
「そういう問題じゃないのでは…?」
(先生!!?)
とても教師には見えない風貌に全員が驚愕する。
「ってことは…この人もプロヒーロー…?」
(でも…見たことないぞ、こんなくたびれた人…)
ヒーローに詳しい緑谷さえも、彼の事は知らないようだ。
「担任の相澤消太だ、よろしくね」
(担任!!?)
相澤は着ていた寝袋を漁ると、衣類をひとつ取り出した。
「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」
コレ、と差し出されたのは体操服。ひとつを彩希の手に起き、更に出てくる体操服を他の生徒に配り始めた。
(…なんか無駄にぬるいんだけど)
相澤の体温を感じる体操服を乾かすように広げ、更衣室へと向かった。
「「個性把握テストォ!?」」
グラウンドに招集され、相澤から突然のテストと告げられる。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事でる時間ないよ」
麗日の真っ当な疑問はすぐに一蹴された。
「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り」
理解が追いつかず、困惑する生徒たち。
「お前たちも中学の頃からやってるだろ?"個性"使用禁止の体力テスト」
そう言って相澤はポケットからタブレット端末を取り出すと、画面にはソフトボール投げ、立ち幅跳とび、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈の8種目のテストが表示されていた。
「先生、やったことありません」
「お前は例外だ特待生」
特待生と呼ばれた彩希にクラス中の視線が行く。
「ひとつ忘れてたが、そいつは海外からの編入で特待生。だからうちのクラスはB組より1人多いが、まあ気にすることじゃない」
((さらっと重要なこと言ってないかこの先生!?))
推薦入学者のことは誰でも知っているが、編入生は皆初耳のようで、更に特待生と言われれば、無視できる存在ではない。
(居心地悪くしないでほしいなぁ)
周りの視線を気にするのか、彩希は落ち着きなく頭を掻いた。