第77章 スキーと悪夢。
それから、何時間が経ったでしょうか。
空腹に耐えられず、今はカロリーメイトを食べていますが、
先ほどから笠松さんはだんまり。
どこか痛むのかな。感覚がおかしい、とか?
「・・・笠松さん、どこか痛むところあったら教えてください、ね?」
笠松「それは大丈夫だ。」
「あ・・・なら、いいんです、けど」
・・・。
そしてまた沈黙が続く。焚き火を確保できたとしても
まだ寒いなー・・・。
笠松「・・・ごめん」
「え?」
笠松「本当、ごめんな。お前関係ないのに、つらいよな」
「笠松さんっ・・・気にしないでください。私がしたくてやってることですし」
笠松「でもっ!」
ずっと顔を合わせてなかったが、急に私の顔をみてきた。
あ・・・あのときの顔だ。
真剣で、まっすぐな瞳。
笠松「俺さえ・・・しっかりしてれば・・・」
「笠松さん・・・」
眉間にしわをよせ、苦しそうな顔をする。
そんな顔しないでください笠松さん。
私、本当に笠松さんが無事で嬉しいんです。
こんな状況でも嬉しさを感じてしまうんです。
だから、だから・・・。