第77章 スキーと悪夢。
「笠松さん。これはお礼です」
笠松「---は・・・?」
「夏のキャンプの時の。あの時は私が崖から落ちたんですよ?」
笠松「・・・ああ。確かそんなことあったな」
「あの時、笠松さんが助けてくれて本当に嬉しかった。安心したんです」
笠松「小倉・・・」
「いつかそのお礼をしたいなーって思ってたんですけど、なかなかできなくて・・・でも、今できましたね。良かった」
嘘。こんなお礼考えてもいなかった。
でも、こういうことだよね。
そんな気がする。
笠松「なにアホなこと言ってるんだよ・・・」
私の言葉に笠松さんがふっと笑った。
落ち着いてくれたみたい。
「アホじゃないですよ!私はっ・・・クシュッ」
笠松「! まさか風邪引いたのか?」
「い、いえ!くしゃみは朝からありましたし!」
笠松「朝からあったのにスキーしたのか!?」
「うっ・・・それとこれとは別であって・・・」
笠松「別じゃねぇだろ!」
怒鳴られ、体がびくっと反応する。
「す、すいません・・・」
とは言っても朝のくしゃみも寒くてでたくしゃみなんだけどなー・・・。
笠松「ったく。おら。」
「わっ!?」
ぐいっと腕を引っ張られると笠松さんは私を抱きしめた。
「かかかか笠松さん!?///」
笠松「馬鹿。こっちの方があったけぇからやってるだけだからな」
「そ、そうですよね・・・。あははは」