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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第36章  束の間の日常


 副長の言葉に、部屋に集まっていた兵士達は一斉に解散し始めた。背伸びをしている者、大きなあくびをしている者、様々である。だが皆一様に、ホッとした表情をしていた。

 私はすぐには退室せずに、モブリット副長の近くに歩いて行った。一言挨拶がしたかったのだ。

「副長、お疲れ様でした」

 声をかけると副長は目元を下げて、いつもの柔らかい笑顔を返してくれた。

「あぁ、君もよく頑張ってくれたな。お疲れ様。ゆっくり休んでくれ」

 そう言って労ってくれた副長だったが、唐突にフラリとその身体が傾き始めた。

「副長っ!?」

 私は慌てて手を伸ばしてその身体を抱えたが、自分よりもずっと背の高い副長のことを支えきれなかった。
 副長の重さがのしかかり床に向かって一緒に倒れていきながら、せめてクッションの役割くらいは果たそうと思った私は副長の身体に回した腕に力を込めた。副長は私に覆いかぶさるような体勢で、ぐったりと気を失っている様だった。

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