第35章 覚悟
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十分に休養を取らせてもらったおかげで、次の日の朝には私の気力は満ち溢れていて、元気いっぱいの状態で医務室を後にしたのだった。
踏み出す足が軽い。こんなに清々しい気分になったのは本当に久しぶりかも知れない。今回の奪還作戦の疲労だけでなく、日頃の慢性的な寝不足も完全に癒せたような気がする。
集合場所に行くと、まだ時間が早いからか集まっている兵士はまばらで、ハンジ分隊長の姿はなかった。昨日の夜モブリット副長が「また明日な」と言っていたので、てっきり副長もこの調査に参加されるものと思っていたのだが、副長はウトガルド城の調査に当たられるとのことだった。
各々が装備の確認などを行っている中、つながれた馬の横で備品の準備をしているコニーの姿を見つけて、私は思わず駆け寄って行った。
エレンの奪還作戦からの帰還中、彼はずっと涙を流していたので、そのあまりにも打ちひしがれた様子がずっと気がかりだったのだ。