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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第35章  覚悟


「……そうか。助かる」

 そしてそのまま黙りこくってしまうものだから、私の感じた気まずさたるや相当なものがあった。
 兵長は無表情だったけれど、なんとなく私には分かってしまった。なんか嬉しそうだ…!いや、あれは恥ずかしがっているのだろうか…。

 しゃべり倒す分隊長に、静かに照れる兵長、恥ずかしさでいたたまれず頭を抱える私。

 一体いつまでこの地獄の時間が続くのか…と泣きそうになった時、救世主が現れた。

「ハンジさん、探しましたよ!アンタ今晩までは安静にしておくように先生に言われてるでしょうが!なに動き回ってるんですか!」

 現れたのはモブリット副長だった。
 副長はツカツカと歩み寄ってくると、椅子に座っているハンジ分隊長の事をいつもの困り顔で見下ろした。やや息を切らしているところを見ると、必死になって分隊長を探し回っていたに違いない。

「見つかっちゃったか~!いやー、モブリットには敵わないなぁ」

「冗談言ってないで早く病室に戻って下さい。明日の調査に参加できなくなってもいいんですか?」

 少しだけ、モブリット副長が厳しい表情をする。副長はとても温和な人だけど、優しいだけの人じゃない。時に厳しく、時に男らしく、分隊長の事を支えている。

 あんまり副長の言うことを聞かない分隊長だけど、副長がこういう表情をした時だけは大人しくなるのだった。

「はいはい、分かったよ。んじゃラウラ、明日はよろしくね」

 そう言ってヒラヒラと手を振りながら分隊長は部屋を出て行った。

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