第35章 覚悟
それに、心配なのはエレンだけじゃない。ミカサの怪我の具合はどうだろうか…自力で馬を降りられないほどだったから相当な重傷なのだろう。
ジャンも出血するような怪我をしていたから心配だし、コニーは帰還する道中ずっと泣いていた…。
今回の出来事は、104期の新兵達にはあまりにも残酷な事実ばかりだったろう。同期の中に4人もの巨人が紛れていたことが分かったのだから。
いつの間にか考え込んでしまっていた私の事を、分隊長が見つめていた。
「ところでねぇラウラ、リヴァイとはもう会ったの?」
「えっ!?」
予想もしてなかった質問を唐突に投げかけられて、私はベッドの上で飛び上がった。なんで突然そんな事を聞くのかと、びっくりしすぎて言葉が出てこない。
水から引き上げられた魚のようにパクパクと口を動かしている私を見て、分隊長はニヤリと笑った。
「何かね、妙に機嫌がいいんだよ。常に仏頂面をしているあの男がだよ?だから、これはもうラウラと何か進展があったなって思って」
「な、なんですか、進展って…」
「お?否定しないってことは正解かな?いやぁ、リヴァイもついに根性を見せたねぇ!」