第35章 覚悟
ベッドの中でぐるぐると思索を巡らしていると、にわかに廊下をバタバタと歩く大きな足音が聞こえてきた。この音はもしや…
「ラウラ!目が覚めたかい!?」
バン、勢いよく扉を開けてハンジ分隊長が入ってきたのを見て、やっぱり、と私は嬉しくなった。
良かった、お元気そうだ。酷い火傷をしていたから心配していたけれど、もうすっかりいつもの分隊長だ。
「分隊長!ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
私が慌てて起き上がろうとすると、ベッドサイドまで足早に歩いてきた分隊長が、意外なほど繊細な手つきでそっと私の肩を押し戻した。
「そのままでいいよ。まだ本調子じゃないだろう?まぁ、私もついさっき起き上がれるようになったんだけどね」
そう言って分隊長は、ベッドサイドにあった椅子に豪快に腰を下ろすと、ニッと笑ってみせた。