第34章 おかえり
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今回の作戦に参加した兵の多くは負傷しており、トロスト区に戻った俺達は夜通し怪我人の看病に追われたのだった。
俺の腕の中で気絶したラウラの事は、俺が医務室まで運んだ。トロスト区に移送する間もラウラはピクリとも動かないので心配になったが、診察した医師の見立てでは、目立った外傷は見られないからおそらくは疲労によるものだろうということだった。
休まずに動き回っている内に夜が明けた。エルヴィンやハンジも負傷している中、その全ての穴埋めをできる訳もなかったが、俺は、俺なりに考えて兵達に指示を出し続けたのだった。
俺は便所に行く間もないほど忙しかったが、それでも仕事の合間に時間を見つけてはこまめにラウラの様子を見に行っていた。
ラウラはスースーと小さな寝息を立てて眠り続けており、見に行く度に少しずつ顔色が良くなっていくのだった。そう言えばこいつは寝付きが異常に良い奴だから、睡眠が何よりもの回復薬になっているのかもしれないなどと思い、安心するのと同時に少し可笑しくもあるのだった。