第33章 道標
「了解ですっ!!」
すぐにそれを受け入れた。エルヴィン団長の指示通りにするんだ!!私は、団長の事を信じている。団長がそう指示されるのなら、それに従う。きっとそれはエレンを救うことにつながるから。
あまりに必死だったから、一体どういう方角で走ったのか全く分からないのだが、気づけば私達は鎧の巨人と真正面から対峙するようにして走っていた。
ズンズンと近づいてくる鎧の姿。
ギリギリまで引きつけたところで、エルヴィン団長が叫んだ。
「総員散開!!巨人から距離を取れ!!」
私達の横を鎧の巨人が駆け抜けた。そのまま鎧の巨人は、私達が引き連れてきた大量の巨人の群れの真っ只中に飛び込むような形になった。
ドッ
その瞬間、大型と中型の巨人が絡まりあうように吹き飛ばされた。…鎧の巨人が強烈なタックルを繰り出し、群がる巨人達を弾き飛ばしたのだ。まるで棒倒しゲームのように次々と巨人達がなぎ倒されていく。
「な、なんてパワーなの…!?」
その光景を見てゴクリと息をのむ。あんなの…誰も止められない。
だがいくら鎧の巨人が強くても、次から次へと群がってくる巨人達の数は尋常ではない。さすがの鎧も圧されはじめたが、そこで鎧の肩に乗っかっていた小型の巨人が動いた。
さっき一目見た時から思っていた。おそらく、あれがユミルの巨人になった姿なのだろう。ユミルと思われる巨人は、群がってきた巨人達に飛びかかり的確に急所を攻撃して殺していったのだった。