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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第33章  道標


「ジャン!怪我は無い!?」

「はいっ、大丈夫です!」

 真剣な面持ちで頷く彼に、私も頷き返した。

 私はエレン達と共に古城待機が多かった割には104期の新兵達と話す機会が多くて、ジャンともよく言葉を交わしていた。
 そもそもジャンとコニーは、入団時に私の事を新兵だと勘違いして、向こうの方から積極的に声をかけてきたという経緯があるので、打ち解けるのは結構早かったと思う。

 ジャンは訓練兵団の卒業成績がエレンに次ぐ6位であり、身体能力は申し分ない。だがそれ以上に注目すべきは、状況を正しく認識する能力だった。
 正直、壁外調査で一緒の班になったことも無いし知り合ってからの期間だってまだまだ短いのだが、彼の普段の様子を見れば、周囲をよく観察してその時に一番必要な行動を見極めることのできる子だということはすぐに分かった。

 ジャンは、日常のほんの些細な事にもよく気が付く。先ほどの巨人との戦闘で初めて一緒に戦ったが、仲間達の動きをよく見て、時にサポートし、時に引っ張りながら戦っていた。こういうことができる兵士はそんなに多くない。ましてや、まだ入団したばかりの新兵だ。きっと彼はこれから更に重宝される事になるだろう。

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