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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第33章  道標


 ハンネスさんに言わせれば、エレンは昔からこうだったと。喧嘩が強くないくせに、気に入らない奴には正面から突っ込んで行ってしまう。そしてそれを助けるのはいつもミカサとアルミンだったと。

 ガキ大将相手に狂犬のように突進していく幼いエレンの姿を想像したら、何だか少し可笑しくなってしまった。…だって、あまりにも容易く想像できたから。
 そして、圧倒的な強さでガキ大将やその取り巻きを叩きのめしているミカサの姿や、まだ突っかかって行こうとしているエレンを必死に羽交い締めにしているアルミンの姿も一緒に脳裏に浮かぶ。 

 やっぱり…最初に思った通り、エレンは似ている。私の弟のエリクに。エリクも正義感の強い子だったから、特に弱い者いじめを見て見ぬ振りはできなかったみたいで、よくガキ大将に挑んで行っていた。
 エレンに初めて会った時、どこか弟に似ていると思ったんだ。あの直感は、やっぱり間違っていなかった。

 ハンネスさんの言葉を聞く内に、目に見えて二人の表情は変わっていった。先程までは悲しみに打ちひしがれているだけだったけれど、徐々に瞳に力が戻ってきたように見えた。

「俺も行くぞ。お前ら3人が揃ってねぇと俺の日常は戻らねぇからな」

 そう言い終わった時、ハンネスさんとミカサ、アルミンの目はしっかりと前を見据えていた。

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