第33章 道標
私は負傷した兵達の様子を見てくることにした。アルミンやミカサの様子はどうだろう。アルミンは比較的軽傷のようだったが、ミカサは壁に強く打ち付けられた様子だったので心配だ。
ちらほらと立っている見張り兵に軽く声をかけながら、二人の元へと足を進めた。
二人は並んで寝かされておりまだ気を失っている様だったが、地面に倒れているのを発見した時よりは顔色が良くなっていたので少し安心した。 二人を救助したのも私だ。
アルミンの横に膝をつき、その女の子のように可愛らしい寝顔を見下ろす。まじまじと見つめていると、こんな時に考えている場合ではないのだが、アルミンはニファさんと顔が似ているなと思った。
「う…」
似顔絵描きたい…と思いながら見下ろしていると、アルミンがもぞもぞと身動ぎをして、うっすらと目を開けた。
「アルミン!!」
私の気持ち悪い視線で起こしてしまったのかもしれず申し訳ない気持ちもあったが、とにかく気がついて良かった。
「ラウラさん…僕達は一体…」
頭を押さえてアルミンが言う。だいぶマシになったとは言っても、やはりまだまだ顔色は悪いし、顔には痛々しい火傷がある。
私は腰に着けていた水筒を差し出して、状況の説明をした。