第33章 道標
それからしばらくして、エルヴィンが到着した。大勢の憲兵を引き連れて。
「おいおい、どういうことだ。お前はいつから憲兵団の団長になったんだ?」
「リヴァイ、すぐにトロスト区に向けて出発する。巨人を殺す技術を極めた憲兵達に、いよいよその力を発揮してもらう時がきた」
「はっ…お前の冗談はいつも笑えねぇな。了解だエルヴィン、兵達にすぐに用意をさせる」
月明かりも乏しい暗闇の中、俺たちはトロスト区に向けて出発したのだった。無数に揺らめく松明の灯りを見ていると、これから戦場に向かうのだということを妙に実感するのだった。
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