第33章 道標
ラウラの発した「あんまりびっくりしないでね」という言葉の意味が分からずに首を傾げたコニーとクリスタだったが、その直後のラウラの姿を見て、それを理解したのだった。
横たえられたラウラの身体からダラリと力が抜かれ、まるで気を失ったように突然眠ってしまったからだ。その間、たったの数秒だった。あまりにもあっという間のことに、二人は目を丸くする。
「え…、ラウラさん、寝ちまったのか?」
「う…うん、そうみたい。すごいね、こんなに寝つきが良い人初めて見たよ」
コニーとクリスタが顔を見合わせる。その時にはすでにラウラは、静かな寝息を立てていた。
「おいおい、どういうことだ。すげぇな」
コニー達同様にその様子を見ていたハンネスが、可笑しそうに笑う。脱力しきった様子で眠るラウラのことを見つめて、コニーもつられて笑った。
「やっぱり天才って、どこか変わってますね」