第33章 道標
ドオオオオ!!と、今までに聞いたことのないほどの轟音が鳴り響き、大量の蒸気と土埃が舞い上がった。まるで大量の爆薬が一斉に爆発したかのような、とてつもない衝撃だった。
ブワッと信じられないような熱さの熱風が舞い上がってきて、壁の淵ギリギリにいたコニーの身体を舞い上げた。
「う、うわっ!」
「コニー!!」
私は必死でその身体をつかんだ。だが、私の身体まで舞い上がりそうになってしまった。
「ラウラ!!」
私がコニーにやったのと同じように、ハンネスさんが私の身体を掴んでくれた。おかげで私とコニーは吹き飛ばされずに済んだのだった。
ちなみに私たちよりももっと小柄なクリスタは、壁の淵からは少し離れていたので、熱風の直撃を免れていた。良かった。
「ありがとうございます、ハンネスさん」
熱風が吹き去って行き、私とコニーはスタッと地面に着地した。まったく…なんて情けないんだろう。こんな時、この小柄な身体が心底恨めしくなる。私ももっと身長が高くて、筋肉質な身体だったら良かったのに…。
小柄と言えばリヴァイ兵長も、160cmと男性兵士の中ではかなり小柄な部類に入るけれど、体重はずっしりと重い。
以前兵長が足を怪我されてその身体を支えた時、一瞬だけどその体重を受けたことがある。きっとあの身体には良質な筋肉がみっちりと詰まっているから、あんなに重いのだろう。兵長だったら、こんな熱風ごときものともしないはずだ。