• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第32章  裏切り者達


「そういう事だ。お前は自分が思っているよりも、絵を描いている時は無防備なんだ。分かったら気をつけろ」

「はい!」

 私が頷くと兵長も小さく頷いて、私の頬をスリと軽く撫でたのだった。
 兵長は時々こうやってさりげなくボディータッチをしてくる。私もエレンについついやってしまうから、多分そんな感じなんだろうとは分かっているけれど、それでもやっぱり好きな人に触れられれば嬉しい。


 エルミハ区に到着し荷馬車を降りると、先発していた兵達が迎え入れてくれ、出発準備の進捗状況を教えてくれた。
 急いで立体機動装備を装着していると、隣で同じように装備の準備をしていたハンジ分隊長が、手は止めずに話しかけてきた。

「いやぁ~、しかし最近のリヴァイはもう隠さなくなってきたねぇ。見てるこっちが恥ずかしくなるよ」

「え?」

 唐突に言われた言葉に、私は思わずきょとんとしてしまった。

「ハンジ分隊長、隠さないって何をですか?」

「ん?ん~、こっちはこっちで手ごわいなぁ~。まぁ、その内分かるよ、その内ね!グフフ」

「??」

 ニヤニヤしながら立体機動装置の装着を進めるハンジ分隊長に、私は話の筋が読めずに首を傾げた。…何かこの表情は、昔どこかで見覚えがあるような気がする。でもなぁ、分隊長はよくこんな感じで顔が緩んでいるから…よく分からないな。

/ 660ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp