• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第32章  裏切り者達







 壁の巨人には、毛布を急いでつなぎ合わせて作った巨大な布が被せられ、ひとまずは日光から遮断した。
 毛布をつなぎ合わせる作業には一人でも多くの人手が必要だったはずだが、私にはアニ・レオンハートを地下に運搬する役割が与えられたのだった。
 正直…少しでも早く彼女のことを描きたいと思っていたので有難かった。でもそれは私の好奇心を満たすための采配な訳ではなく、彼女の姿をスケッチして、この後行われるであろう緊急会議で使用できる資料を用意しろという意図である事は理解している。

 運搬班の指揮はリヴァイ兵長がとった。
 私服の黒いスーツを身にまとい首に純白のクラバットを巻いた兵長は、まるで貴族の少年のように見えた。立体機動装置を装着した物々しい兵士の集団の中に立っていると、ひときわ目立つ。

「よし、ここに固定しろ」

 兵長の指示で地下牢の中央に、水晶体を立てるための足組みが作られ、アニ・レオンハートはそこに据え置かれた。

/ 660ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp