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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第32章  裏切り者達


 ミカサに両手の指を切断された女型は、地面に落下したところをエレン巨人に押さえつけられ、兵士達に取り囲まれた。

 横たわる彼女の表情は虚ろで、身体はだらりと力なく地面に投げ出されていた。抵抗することを諦めたのか、落下の衝撃で朦朧としているのか。いずれにせよ、おとなしくしてくれているうちに本体をほじくり出さなければいけない。

 女型の首元に大勢の兵士が群がり、ブレードや特殊に加工されたクワなどでうなじを切り裂いていく。
 私もその作業に加わりながら、徐々にあらわになっていく女型の内部を観察していた。さぁ、早くその顔を見せろ…。

 興奮しながら指示を出すハンジ分隊長のことを、モブリット副長が「ハンジさん!落ち着いてください!」と諌めている。

 硬質化したうなじがメリメリとはがされていき、肉に埋まっているアニ・レオンハートの姿が見えてきた。
 少しでも早く顔を確認したくて、私は身を乗り出してそれを覗き込んだ。だが目に飛び込んで来たのは、想定もしていないような彼女の表情だった。

「泣いてる…?」

 うなじの肉に埋もれた彼女は、顔を歪めて涙を流していた。思いもよらないことに私は一瞬動きが止まってしまった。

 エレンが手を伸ばして彼女の身体を掴み上げようとした時、突如としてうなじから青白い光が発せられ、蒸気が激しく吹き出した。

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