第29章 第104期調査兵団
一方、リヴァイとラウラは向かい合って食事を続けていた。
「お前…、いくつになっても変わらねぇな」
リヴァイはまじまじとラウラの顔を見つめて言う。
ラウラは何を言われているのか分かっていないのか、きょとんとした顔をした。それを見てリヴァイはため息をつく。
きっとコイツは、自分が周囲からどんな視線を受けているのか気付いてもいないのだろう。
「今の奴ら、お前の事を同期だと思って近づいてきたんだぞ」
「えっ!?そんなまさか!だって私、あの子達より4歳くらい上ですよ?」
その返答を聞いて、いい加減自覚しろとリヴァイは肩を落とした。
ラウラはハッキリ言って童顔だ。おまけに小柄だから、余計に実年齢よりも幼く見える。
透き通ったコバルトブルーの大きな瞳のせいで、余計にその印象が強まっている。
お前が可愛いから、ああいう輩が寄ってくるんだぞ。だからお前のアトリエにはいつも誰かしら来ているんじゃねぇか。
それなのにコイツときたら、「みんながこんなに絵に興味を持ってくれるなんて、嬉しいです」なんぞと抜かしやがる。
なんって鈍感なんだ。全員とは言わねぇが、奴らの興味は絵よりもむしろお前の方にあるんだぞ。
そんな風に無防備だから、いつか誰かにかっさらわれてしまうのではないかと心配になるんだ。
俺のこの気持ちは打ち明けないと決めたものの、誰にもコイツを渡したくない。
完全に俺のエゴだろうが、とにかく嫌なのだ。コイツの肌に他の男の手が触れる事を想像しただけで、気が狂いそうになる。
まったく…俺の気も知らないで呑気にしやがって。