第29章 第104期調査兵団
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第104期生の彼らは、不運にも卒業した次の日に二度目の超大型巨人の襲撃を受けた。
よりによって何故そんな日に…と同情してしまう。壮絶な経験だったと思う。その戦いで命を落とした新兵も多いと聞く。
正直なところ今年は良くて数人、もしかしたらエレン以外には一人も入団希望者はいないのではないだろうか、と思っていた。
だけどそんな私の予想に大きく反して、21名もの新兵達が入団してくれたのだった。
新兵勧誘式の後には、さっそく歓迎会が開かれるのが恒例だ。と言っても、夕食を兼ねたごく簡単なものなのだが。
それでも普段の食事よりは豪勢なメニューが並ぶので、お祝いムードは十分だ。
歓迎会は調査兵団本部の食堂にて行われる。私は一度アトリエに画材道具を置きに戻ったので、皆よりも少し遅れて食堂に到着したのだった。
食堂に入るとすでに歓迎会は始まっており、あちこちのテーブルからは笑い声が上がって、すっかり盛り上がっていた。
「お~いラウラ!こっちだよ~!」
向こうの方のテーブルからハンジ分隊長が手を振って呼んでくれる。足早に向かうと、テーブルにはエレンとリヴァイ兵長の姿もあって、兵長の隣の席が空いていた。
…もしかしてそこが私の席なのだろうか?座ってもいいのかな…?と私がまごついていると、兵長が言った。
「どうした?さっさと座れ」
ポンポンとベンチを叩いて、座るように促される。やっぱりあそこが私の席だったらしい。
嬉しいような、緊張するような気持ちで、私は席についた。