第29章 第104期調査兵団
先輩達の方に走っていくと、私の姿に気がついたニファさんがまず声をかけてくれた。
「あら!ラウラおかえり~。どう?満足の行く絵は描けた?」
「はい、バッチリです!でも…すみません、また熱中しすぎちゃったみたいで…皆さんにご迷惑をおかけしてしまって」
「迷惑だなんて思ってないよ!ラウラには特別な才能があって、それを存分に発揮しているだけなんだから」
そう言ってにっこりと笑った二ファさんの言葉に、私はじーんと胸が熱くなる。何て良い先輩なんだろう。
私は本当に先輩に恵まれていると思う。ニファさんだけでなく、ケイジさんやヒゲゴーグルさん、ナナバさんにゲルガーさん…その他にもたくさんの先輩がいるけれど、どの人もとても優しい。
調査兵団での任務は過酷なものばかりだけど、こんな風に尊敬できる先輩がいるから今まで何とかやってこられたんだ。
実験道具の後片付けを終えて兵長達が控えている部屋へ行くと、丁度兵長達が中から出てくるところだった。
「遅かったな。絵は描けたのか?」
「はい!いつもご迷惑をおかけして申し訳ありません」
そう言って頭を下げると、兵長の手が伸びてきて、くしゃくしゃっと撫でられた。
「行くぞ。新兵勧誘式だ」