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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第29章  第104期調査兵団


「おはようラウラ。手、どうかしたの?」

「あっ、おはようペトラ。ううん!何でもない」

「そう?そう言えばラウラ、昨日の夜どこ行ってたの?先に寝ちゃってゴメンね」


私は昨夜のことを説明しようとして、ハッと口をつぐんだ。ペトラの気持ちを知っているだけに、今更ながら自分の行動が抜けがけのように思えて罪悪感が湧いてきたのだ。

 私は一体どうしたいのだろう…。
 前はペトラの兵長への想いを応援しようと思っていたのに、オルオの気持ちを知ってからはそれをやめて、成り行きに任せようと思っている中で自分が兵長に抱いている感情に気付いて…。

 兵長と一緒にいることに喜びを感じる一方で、嬉しければ嬉しいほどペトラへの罪悪感が増していく。自分がとてもズルい人間のように思えてきてしまうのだった。


 そんな事を考えていたら、いつの間にかペトラはベッドから出て身支度を始めていた。


「ほら!ラウラも早く着替えなよ。食事の準備に遅れちゃうよ」


 ニコッと笑って振り返ったペトラに、自然と私も笑顔になる。やっぱりペトラは可愛いなぁ。


「ねぇ、ラウラ?」


 慌てて着替え始めた私に、シャツに腕を通しながらペトラが言った。


「もしも何か、私に遠慮しているようなことがあるのなら、全然気にしないでいいんだからね?」

「え…?」


 まるで私の心を見透かすようなペトラの言葉に、私の心臓はドクンと脈打った。

 どういう意味だろう?何か遠慮してること…って。もし、もしもそれが兵長への好意の事を言っているのだとしたら…。もしかしてペトラは気づいているのかな?
 そんなまさか。だってそんな話一度もしたこと無い。でも、もしもそういう意味で言っているのだとしたら…。


「はい、着替え終わり!置いてっちゃうよ?!」


 ゴチャゴチャと巡らせていた思考を吹き飛ばすように、ペトラが言った。いつの間にか立体機動装置のベルトまで装着し終わっている。


「わーっ!待って!待って!」


 ペトラの言葉の真意が分からなかったけど、その明るい笑顔につられて私も笑顔になると、後を追って部屋を飛び出したのだった。

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