第25章 トロスト区襲撃想定訓練
「おっ、おい、お前ら、どうしたんだ?!大丈夫かよ?なんで泣いてんだよ?!」
いつの間にかオルオが私たちの目の前に立っていて、涙を流しながら爆笑している私達を見下ろしてオロオロしていた。
あぁ、思い出した。昔からオルオは、私が転んだりして泣いていると、こうやって心配して泣き止むまで面倒を見てくれたっけ。
最近は妙に格好付けるようになって苛立ちを感じていたけれど、やっぱり中身は昔のまま。オルオも優しい子だ。私の周りには、優しい人が本当にたくさんいる。
こんなに大切なこと、なんで気づかずにいたんだろう。