第25章 トロスト区襲撃想定訓練
でも確かに言われてみれば、ぺトラの言う通りかも知れない。
一緒に過ごしたいと思わせる力がある、というのはひとまず置いておいて、確かにアトリエにはいつも誰か来ている。
その殆どはリヴァイ兵長だけど、絵を見せて欲しいと言って訪ねてきてくれる人は多かった。
思えば、夜中くらいしか一人であの部屋にいることは無いかもしれない。
言われるまで意識したこともなかったけど、これは一体どういうことだ…。なんでみんなこんなに来てくれるんだろう。
「…リヴァイ兵長も」
ペトラがポツリと言った言葉に、私はドキッとした。
視線をペトラに戻すのが怖かった。もし、例の悲しそうな顔をしていたらどうしよう。
ペトラが兵長の話をする時は決まって少し悲しそうな目をしているから、私はどうしたらいいのか分からなくなる。
だけどずっと顔を背けている訳にもいかないので、私は恐る恐るペトラの顔に視線を戻した。
そうしたら意外にもペトラの表情は明るかった。
「でもラウラ、さっきの人達って駐屯兵団の兵士でしょ?どこで知り合ったの?って言うか、飲みに行ったってどういうこと?!」
ずいっと身を乗り出してきたペトラはいつも通りの様子で、興味津々といった表情をしていたのだった。