第23章 成果
「ハンジ分隊長っ!!見てくださいあの巨人っ!!」
ラウラが嬉々とした声を上げると、それに応えるようにしてハンジも叫ぶ。
「うほーっ!!滾るねええぇぇ!!」
モブリットの制止もむなしく、また新たに発見した奇行種に二人は興奮して飛び付いていってしまった。
「あぁっ!危険です二人共っ!!」
だが彼が慌てて後を追おうとした次の瞬間、ラウラとハンジの見事な連携技が決まり、巨人の首はキレイに跳ね飛ばされていた。
今倒した巨人で、この辺りの巨人は一掃できたようだ。
スタッ、と地面に降り立ったラウラは、蒸気を発しながら転がっている巨人の首に向かって走り寄っていく。
そして最近の壁外調査の時には必ず持ち歩いている分厚い革の手袋をはめると、なんと地面に転がるその首をがっしりと掴み上げたのだ。
「うわぁ!分隊長が言った通り、本当に軽いっ!!なんでっ?!」
巨人の首から滴り落ちた血がラウラの腕にかかって、肘まである手袋を真っ赤に染めていく。
だがそんなことは微塵も気にしていない様子で、ラウラは真正面から巨人の顔をまじまじと見つめ続けていた。
首を切断されてギョロリと上を向いた大きな目玉を、ラウラは喜々として見つめている。
その青い瞳には、狂気が宿っていた。