第22章 息抜き
部屋の中央のテーブルにサンドイッチの皿を置く。
まさかお部屋の中に入れてもらえるとは思っていなかったので、少し、いやかなり緊張している。
執務室の方には行ったことがあったけれど、個人の居室に伺ったのは初めてだ。
「紅茶も持ってきてくれたのか。お前、気がきくな」
「ありがとうございます」
盆にはサンドイッチの他に、ティーポットに入れた紅茶も用意しておいたので、兵長は満足そうな表情をした。
(良かった。パサパサしたものだから、飲み物も用意しておいて正解だった。これで兵長にゆっくりと召し上がっていただける)
人前で食事はとらないという兵長のため、私は早々に部屋を出ていこうとすると、兵長はサンドイッチをつまみあげバクッと大きくかじりついた。
「えっ」
兵長、食べてる?
目を白黒させる私をよそに、兵長はガツガツと食べ進めていく。
小さめに見えていた口は、やはり男の人だけあって大きい。気持ち良いくらい豪快な食べっぷりだった。
サンドイッチを頬張っている兵長の頬がぷっくりと膨らんでいる。
普段はシャープな印象の顔の形が丸みを帯びて、…大変失礼なんだけどとても可愛いと思った。