第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
スタスタと歩いていくヤツの後ろを
少し遅れつつキョロキョロしながら
そっとリビングに入ると
「飲み直す~?それとも…
もうコーヒーにしよっか~?」
全然気の張らない
ぽよーんとした声が届く。
既にヤツの姿はなく
さらに奥のキッチンらしきところから
ガサガサと音がしてきて…
…どーしようか。
こんなとこまでノコノコついてきて
じゃあお茶しましょう…ってのもなぁ~…
「あ、じゃあ…軽く、飲み…ますか…」
「おっけぇ~い♪テキトーに座ってて~?」
俺の歯切れの悪い返事にも
のんびりした声が返ってきて
なんだか…肩の力が抜けた。
言われた通りに
ソファーの方に回ってきて
ちょっと部屋を観察…
へぇぇ…意外にも
あんまチャラチャラしてねーのな。
つか…むしろ逆。←翔さん風
スッキリ片づいていて
余分なものが何も出ていない。
まぁ大方
お手伝いさんでも雇ってんだろーけど。
俺はソファーに座らず
壁付けに置いてあるキャビネットに近づいた。
おぁぁ~…
これ全部…台本か。
今までヤツが出演した
ドラマや映画のものと思われる台本が
ズラリ整然と並べてある。
あ、このドラマ…観てたなww
相葉雅紀…本物か。
↑当たり前ww
改めて考えると
俺、すげぇとこ来ちゃってない?
ピクリと少し鳥肌を立てながら
キャビネットの中を覗いていると
違う段のある物が目に止まった。
おぉっ…これは!
OLYMPUSのまぁまぁの値段の
割と最近発売されたカメラじゃん…
カメラが…趣味なのか?
これまためちゃめちゃ意外なんだけど。
「お待たせ~(≧▽≦)♪
さっきの店で智くんハイボール飲んでたから
勝手にそれにしちゃったけど…よかった~?」
嬉しそうに顔をクシャクシャにしながら
相葉雅紀が大きめのトレーを運んできた。
「こっちでいいよね?」
そう言いながら
もうローテーブルにいろいろ広げ回してて。
「なぁ、このカメラ……相葉ちゃんの?」