第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
さっきは勢いで出ちゃったけど。
改めて『相葉ちゃん』て呼ぶのは
なんだか尻がムズムズする…
「ん~?どれ?…あぁそれか♪
そうだね~…俺の、かなぁ…」
なんだよ、それ。
めちゃめちゃ歯切れ悪いじゃん。
「もしかして…撮影で使ったヤツを
こっそりもらっちゃったとか~?」
ちょっと意地悪かもだけど
そんな質問をぶつけてみた。
「あはは~そうきたか…面白いツッコミ♪
うーん…いや、むしろ逆…かな?」
あ……翔さんと同じ『むしろ逆』……
「役作りのために自分で買ったんだ~
現場で使うのと全く同じヤツ♪」
「え?」
「写真家の役をもらった時にね~?
自然な動作を身につけたくてさ…
現場で触ってるだけだと足りないなって感じて」
おいでおいでと俺を呼んで座らせ
話しながら勝手にカチンとグラスを合わせる。
「ホントの写真家の方は…もう毎日どんだけでも
カメラを触ってるじゃん?きっとさ…自分の体の
一部みたいになってるんじゃないかって思って…
そういうのってたぶん撮影の日だけ触っても
出ないだろうと思ってさ~?家にいる時も
できるだけ触るようにして、手に取って構えて
シャッター切って…自然に手に馴染むように
毎日毎日いじくり回してたってわけ…(*^^*)♪
あ、このナッツ…めっちゃ美味いから食べてみて?」
なんか…すげぇことを。
ドヤ顔もふんぞり返りもなく
さらり…とナチュラルに言いやがった。
コイツ…は……
俺が思ってるよりも…ずっと……
……(。ー`ωー)
このガチャガチャした世界にも
『俺様一番』じゃないってヤツ…いるんだな…
↑フツーにたーくさんいますけどね(^-^;
「智くんも?カメラいじるの?
もしかしてこれって…共通の趣味かもっ(*゚∀゚*)?」
「あ、いや…いじるってほどじゃ…
絵のインスピレーションが欲しくて
休みの日に撮りに出かけるくらいかな…」
「へぇ~…なんかプロっぽくてカッコいいね!」