第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
「じゃあ、カラーするね」
翔ちゃんは、アシスタントに、智くんを伴って帰ってきた。
う、嘘っ…(;・ω・)
「…サポート、入ります」
「さとしくん……」
翔ちゃんが、俺を見てクスッと笑ったこと、智くんに見惚れてる俺は全く気付かない…
翔ちゃんの指示に頷いて、智くんが手袋をはめた手で、俺の髪を染めていく…
翔ちゃんと手分けしてやっているけど、
俺はもう、智くんしか目に入らない…
顔の輪郭、丸いから幼く見えるんだな~
それに…なんて可愛い唇なんだろ…
……あ、またあの匂いだ…
目を閉じると、鼻腔を擽る、智くんの甘い香りだけが、頭ん中に満ちてきて…
……あああ、この香りに包まれていたいな…
首筋に鼻をくっつけて、胸いっぱいに吸い込みながら、華奢な身体を、ぎゅ~っと抱きしめて…
「相葉ちゃん?」
「……」
「あの~、相葉さん♪」
「ふぇっ?」
目を開けると、翔ちゃんが笑いを噛み殺していて、
智くんが、少し膨れて俺を見ていた。
「えっ?なに?なんかあった?」
「なんかあったっていうか、部分的に少しだけ色を変えようか?って…そうご提案いたしました♪」
「え、ご提…あ、そう!ごめん、聞いてなくて…」
笑う翔ちゃんと、不機嫌そうに唇を少し突き出した智くん
俺、何考えてたんだ…
智くんの甘い匂いに、すっかり酔ったみたいに…
……そっか。
これが翔ちゃんの言ってたフェロモンか…
なんか俺、おかしいかも……
もう、智くんが、可愛く見えて、
気になって仕方ない…
これが、彼の毒にやられた、っていうなら、そうかもしれない。
俺は知りたい。
大野智っていう人を。
どんな人間なのか?
笑った顔み、見たい…
俺を見て、笑うところをみたい……
それに…どんな言葉で恋人と話すのか?
知りたい、
知りたいんだ……