• テキストサイズ

Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第9章 つんでれアクアマリン【A×O】



VIPルームから店のほうに戻ると
お客さんはもう誰もいなくて

数人のスタッフが片づけをしていた。

いつもと変わらない感じに
ようやくホッとして。

俺も急いでそれに加わろうとして
スタイリングチェアに散った髪を
ハケで払い始めた。


なんとなく…

なんとなくザワザワする胸を
どうか誰にも気づかれませんように。


…という祈りも虚しく。


「なぁなぁ…」

そばで床を履いていた二宮さんが
ニヤニヤしながら近づいてくるから

「なん…すか…」

嫌な予感しかしなくて(。ー`ωー)
おもくそ素っ気ない態度で背中を向けたら。

「それさ…違うハケじゃね?」


…へ?と思ってよくよく見ると。

あ、やべ…

これ…顔に付いた髪を払う用じゃん!

お客さんの肌に直接触れるもんだからと
安月給をやりくりして買った
兎の毛でできてる上等のヤツだよ~…

なんでコレ使ってんだよ、俺…(。ー`ωー)


「すいません…」

小さく詫びてから
急いで近くのワゴンからイス用のハケを取って
掃除を再開するけれど。

そんだけでこの人が
おとなしく離れてくれるはずもなく……

「どしちゃった~?
なんかドキドキすることでも…あった(* ̄∇ ̄)?」


このさ…(。ー`ωー)

含みをもたせるような
いやーな誘導の仕方……

…さすがですよ…


「別に……なんもないす」
「え~~…ホントにぃ?」

ホントです!
…と答えようとした俺の横を
カラカラとワゴンを押す翔さんが通りかかる。

「智~(*゚∀゚*)どんな魔法を使ったんだ?」
「はい?」
「相葉さんが『これからずっと
シャンプーは智くんにお願いする』ってよ?」
「………」
「『夢のように気持ちよかった』んだってさ~ww
今度俺のシャンプーもしてくれよ~(*^^*)♪」


ポンポンと笑顔で俺の肩を叩いて
翔さんはVIPルームに向かっていった。

「ほぉぉーう…(* ̄∇ ̄)?」

意味ありげな視線を残して
掃除に戻る二宮さんを見ながら

俺の頭は…スパーク中…(。ー`ωー)

それは…

大好きな翔さんの髪を
シャンプーさせてもらえるかもしれないから?





いや………

違う…気がする………




/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp