第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
ザワザワする胸が訳わかんなくて
急いでお湯を止めてシャンプーを手に取る。
見た目よりも
髪…柔らかいんだな…
シャンプーの泡に
溶けちゃいそうじゃん…
…って………ぇぇえっ?
ちょっと待て。
何考えてんだ、俺…(。ー`ωー)
いつもシャンプーなんて
無心でやってんじゃねーか!
他のお客さんと同じだろーが。
でも無心でやろうとすればするほど
逆に胸の奥がザワつく。
頭を抱えるようにして
襟足を洗う時なんか…もう…
手が震えそうになって。
なんでだよ…(。ー`ωー)
なんなんだよ…これ…
「洗い足りないところは…ございませんか?」
平常心…平常心…
そう心の中で繰り返しながら
声が上ずらないように注意しつつ。
最後になんとかそう聞くと。
「ないよ。すごく…気持ちいい…(*´`)」
………(。ー`ωー)
なんで…
俺の中心が…ビミョーに反応した?
相葉雅紀、だぞ?
世界で一番ありえないタイプの人間だろ…
タオルでヤツが見えてないのをいいことに
俺はギュッと目をつぶってから
プルプルと小さく頭を振って
それから急いでお湯を出した。
落ち着きを取り戻して
手早くリンスを施して…流して。
よし…終わった。
あとは蒸しタオルだけ。
ミニサイズの温蔵庫の中から
タオルをひとつ取り出して。
パタパタ拡げながら
適温まで冷ましたあと…
ヤツの頭を僅かに持ち上げて
首の下にそれを当てた……ら。
「あぁ~~っっ♡♡(≧▽≦)これヤバい!
熱いのがいーわ(*゚∀゚*)クるクるぅ~♪」
……Σ(///□///)…っっ……
それまでシュンとした感じだったヤツが
唐突に艶っぽい声を出した。
どうやらいつもやってもらってるより
だいぶ温度が高めのようで…
もちろんコイツはノーマルなんだから
何の気なしに出た感嘆文なんだろうけど。
俺はもう…そのあと、ダメで。
平常心を必死に装いつつ
椅子を戻しながら顔のタオルを取って
髪を軽く包み上げてから
「ではっ…失礼します…っ…」
『お疲れ様でした』っていうセリフも忘れて
逃げるように部屋を出た。
「あ、ちょっ…智くぅん…肩のマッサージは~?」
そんなのっ…
できるわけねーだろ…(。ー`ωー)