第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
【SATOSHI】
どの面ツラ下げて……って。
ある意味、ミモノじゃん?て思って
逆にちょっと楽しみにして部屋に入ったけど。
相葉雅紀はやけに…
挙動不審で
カミまくってて
そんで…
気の毒なくらいに焦ってた。
「ごめんなさい!俺、バカだから、
思ったことつい、口に出しちゃって…」
…って
やっぱり思ってたのかよっ…(。ー`ωー)
まぁ…それでも
「ホントに、申し訳なかったって…
ずっと、気になってて…」
今回は言葉を選ぶようにして。
謝りたい気持ちを一生懸命表しながら
シャンプー台の上でペコリと頭を下げる相葉雅紀は
事務所の後輩の起こした失態に対して
凛とした態度できっちり謝罪した先輩とは
別人のように……可愛くて……
……はぁっ(*゚◇゚)?
可愛くて…っ?
ちょっ…待て待て待て。
コイツは俺の大っ嫌いな
チャラチャラした世界の住人だぞ?
傍若無人で
俺様第一で
周りの人間全員が自分のことを
褒めそやして持ち上げてひれ伏してくれる←違う
と思っている軽薄な輩ヤカラだぞ?
今のこの謝罪だって
きっとゲイである俺に興味があって
繋ぎとめておきたい…だけの…はず……
…………(。ー`ωー)
「分かりました。もう、いいですから…
イス、倒しますよ?」
俺は小さなため息をついて。
もうこの件に関しては
考えるのはやめようと思った。
俺の真下で
ヤツが不安そうに見上げてきてるのがわかるけど
それには視線を合わせずに
顔の上にタオルをそっと掛ける。
「………」
「………」
べ、別にっ…
怒ってるわけじゃないからな?
誰に対しても
自分から話しかけることはしない人間だし…
誰に言うとはなしの言い訳を
ひとり心の中で呟きながら
お湯の温度を調整して髪を濡らしていく。
「温度…だいじょぶですか?」
「…うん…ちょうどいい…」
おとなしくそう答えてから
彼の喉仏がグリンと動いたのを見て
なんだか…
胸の奥でザワリと音がした。