第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
「俺、いい気になってたんだ…
俺が誘えば断る奴なんかいないって…
俺…二宮くんが、その…
初めてだったって知って…申し訳なくて…」
「ニノちゃん、本当にごめんなさい!
こんなことしたヤツを擁護するのも
どうかと思うけど…ホントはこいつ、
真面目で、一生懸命なやつなんだ、だから…」
若い女の子たちをときめかせている
時の若手売れっ子俳優が二人して
ガッツリと頭を下げている。
マネージャーも社長の菓子折りも
会社のサポートは何もない中で
自分たちの言葉で謝罪している。
相葉雅紀は…
このために来たのか。
後輩の失態に対して
一緒に頭を下げて謝るために…
…ふ、ん………
これすらも演技だったら
日本のドラマ界は磐石、ってことだな…
(よく知らんけど…)
……(。ー`ωー)……
い、いちおう…
謝罪、という意味では
誠意あるもんなんじゃねーの…?
あとは二宮さん次第だな。
クールを装っていて
どこまでダメージを受けているのか
どこまで心身ともに復活しているのか…
そう思って
隣りをチラ…と見ようと…
…する前に。
「もう、いいよ…わかったから…」
ちょっと不貞腐れ気味の声がして。
驚いてその顔を見たら
意外とスッキリした顔をしてて。
「潤くん、よかったらまた指名してよ。
今よりカッコよくしてあげる自信、あるからさ」
二宮さん…
おもくそ復活してたのか…
それとも…?
打算オトコ二宮としては
ここでちょっと恩を売っておいて
後々2倍3倍にして
返してもらうとか…(。ー`ωー)?
ま、いーや…
どっちにしても
引きずってないんだな。
アンタは…そうでなきゃ。
あんな…
涙に溺れるようなこと
全然似合わねーからさ?
この気取った世界のお兄さんたちも
深く反省しているみたいだし
これで…よかったんじゃね?
ちょっと複雑な思いで
丸く収まりそうなこの場を見ていたら。
「智…くん?」
相葉雅紀が
おずおずと声をかけてきた。