• テキストサイズ

Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第4章 琥珀色の恋【A×N】



リビングの入り口で見つめ合う俺たち…

「……痛いよ…」
「えっ?あ、ああ、ごめ…」

慌てて離した手首を、ニノは少し擦った。


「ニノ…俺さ…」

「お茶!お茶、冷めるよ!早く食べようよ…」
「……」

ニノは俺にいつもの笑みをくれて、
部屋を出て行き、セーターを置いて直ぐに戻ってきた。

俺の横をさっと通り過ぎると、
ラグにちょこんと座って俺を振り返った。

「おいでよ、早く~」
「あ、うん、うん」



「あ~、旨い!想像以上のプルプル~、
あんまり、甘くないのもいいよね!」

何事もなっかたかのように、いつものニノは、
俺が持ってきた、口実の練り菓子を頬張って、
嬉しそうに笑った。

そう。
いつもの『二宮和也』の顔で…


それが逆に、俺の胸を痛くするんだ。

ほんの少しの期待、

……もしかしたら、こいつも……
っていう、淡い想い。

それがいつも、ニノのこんな顔を見る度に、打ち消されてきたんだ。


だけどさ………

誤魔化して、目を反らせ続けたこと。
たったひとつ、
一番叶えたくて、でも踏み出せないから封印してきた俺の気持ち……


……そうだよ。
口実だよ?ニノに会いに来るための…

仕事の現場じゃなくて、
会いたかったんだ…ふたりで……

確かめたかったんだ。

ニノの、気持ち……


「あ〜、美味しかったよね。
もう一個食べたいな〜、っていうところが、またいいのかもね(^^)」
「うん………」

「…………」
「………」



「あ、今度はコーヒーにする?
それとも、ビールがいいか…」

「ニノ」

立ち上がろうとするニノを、
俺の低い声が制止した。

そのままの体勢で俺を見るニノ……


「座って。話があるんだ……」

少し躊躇いの色を浮かべた目を伏せて、
ニノはまた、ラグに座った。


大きく息を吸い込んで、
腹に力を入れて、ゆっくりと口を開く。


「ニノ……俺さ……」


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp