第4章 琥珀色の恋【A×N】
【MASAKI】
こういう事はね、
勢いが大事なんだよ!
そんな言葉を、心の中で反芻しながら、
二つだけのお菓子を持って、ここまで来た。
……来たけどさ。
実際に想い人を目の前にすると、
ビビるっつーの///(>_<)
勢いだけでニノの部屋まで来てしまったけど。
ドアが静かにしまった瞬間、
じんわりと手のひらが汗を握る。
だってさ///
だって俺、この後、全くNoPlanなんだよ!!
リビングの入り口で、馬鹿みたいに突っ立って居る俺に、ニノが、
「やっぱ、日本茶、だよね?」
キッチンから顔だけ出してそう言った。
「えっ?ああ、あ、そうだね、日本茶かな…」
「確か~、Tパックがあったと…
あ、座ってていいよ」
「うん…」
白を基調とした綺麗に片付けられたリビング。
そこに、俺は見つけてしまった。
白い部屋……
茶色のソファー…
多くの色がないその部屋の、ラグの上…
白いクッションの上に、無造作に置かれた青…
………そこだけに光を集めたように、
俺の目に飛び込んできた『そいつ』…
ニノ……
もしかしてだけど、
お前も…
「はい、お茶は入ったよ~?
っていうかさ、酒の方が良かったのか…あ…」
俺が注目するそれに、ニノが気付いた。
「こ、これさ~、たまに着てたんだ…ほら、ゲームしてると、深夜はやっぱ冷えるっていうか、だから羽織って…これ結構肌触り良いからさ~、相葉さんもパジャマにしてたよね~」
「………」
黙り込む俺に、ニノは急に口を噤んだ。
「…片付けてくる…」
青いセーターを丸めて握り、俺の横を通り過ぎて、部屋を出て行こうとするニノの腕を掴んだ。
少し怯えた目でニノが振り返る。
……
………
またやってしまった。
NoPlanの行動…
思わず握ったその腕を、
俺はどうしようと思ったんだろう?