第4章 琥珀色の恋【A×N】
【KAZUNARI】
札幌から帰ってきても
当たり前だけど
当たり前のスケジュールが戻ってきて
もう翌日の火曜日には
みんなと収録で会うことになって。
自分の中では札幌の出来事は
まだガッツリ余韻として残ってるけど
別にみんなは
アニバーサリーってとこ以外
いつもと何が違うってわけじゃ
ないだろーなぁ…(。ー`ωー)
なんて思いながら楽屋に入ると
潤くんが来ていた。
「あっ、ちょっと!」
そうそう!
コイツに聞かなくちゃ(>ω<〃)!
謎の招集情報!
結局ガセだったわけで……
「あのさぁっ…この間の……」
詰め寄る口調で近づいていったら
潤くんはビシッ!と
手のひらをこちらに向けて
ニヤリ…と笑ったんだ。
「な、なによ…」
ちょっと…不気味ですけど( ̄∇ ̄*)?
少しだけ怯みながらも
ここはちゃんと真意を聞いておかないと…
「一昨日の夜の招集さぁ…」
「使いこなさなかったんだな」
「…へ?」
「せっかくセッティングしてやったのに」
…使いこなす?
…セッティング?
…どゆ意味?
俺が絶句したまま
頭を忙しくフル回転させてると
潤くんは大きなため息をついて
ゆるゆると首を振った。
「30をとうに過ぎた大人二人が
なにプラトニックなことやってんのよ…」
「………」
「しかも一年とか…マジありえねぇ…」
「………」
「じれったいっつーの…全く…」
「………」
「もうさ…ガバッといけよ、ガバッと」
「………」
「やりにくいんだよ…俺らもさ?」
「………」
「さっさとくっついてくれよ…」
「………」
「じゃないと残りのツアー完全燃焼できねぇ」
「………」
「おーーい、ニノ~?」
「………」
「通じたか~(≧∇≦)/~」
魂を飛ばしてる俺の顔の前で
潤くんがヒラヒラと手を振っている時に
「おっはよー♪」
「はよ~」
「…はよ」
すごいタイミングで
他の三人が入ってきた。
その後のことは
楽屋→収録→解散まで含めて
自分がどんな顔してたか
どんなこと言ってどう動いてたか
ほとんど記憶がなくて。
気づいたら…
家の近くのコンビニだった。