第4章 琥珀色の恋【A×N】
「買えたんですか?」
「うん!このままさ、ニノの家に行ってよ!」
「二宮さんですか?今日いるんですか~?」
「分かんない!いなかったら帰るからいいの!
いいから、行って!」
お菓子を買えたことが嬉しくて、
ニノの喜ぶ顔が見たくって…
ただそれだけで、俺は小さな箱を抱えて、
ニノのマンションに向かった。
ニノが家にいるのかなんて、
そんなことも考えず、
ニノが『美味しい』って、そう言って食べてくれることだけ考えて…
「じゃ、いいんですね?ここで降ろして」
「いいって!じゃ、また明日!」
マネを帰して、俺は意気揚揚と、
ニノの部屋の番号を押した。
………
……
もう一度押した。
…………
留守なのか…( ̄▽ ̄)
いない事なんか考えてなかった。
そうだよな。
あいつだって、たまには出掛けることもあるし、
友だちと飲みにだって行くよな~
俺は、ニノがいつも家でゲームをしてるような気がしてたんだ…
どうしよ??
帰るか?
待つって言ってもな~…
ここじゃ、怪しいヤツだし…
その時、
「相葉さん?何やってんの?こんなとこで…」
背中に声を掛けられて、飛び上がる程ビックリした。
「に、ニノ…お前こそ何やってんだよ?」
「何って、コンビニ…それにここ俺んちだし」
ニノはコンビニの袋を俺に見せた。
「知ってるよ、そんなの、ニノんちだって…」
急に、恥ずかしくなた俺は、
いろいろ言われる前に帰ろうかと思った。
よく考えたら、こんなお菓子二つ持って、
連絡もしないで尋ねるなんておかしいよな~
第一、俺たちそんな仲じゃないし…
「それ…なに?」
ニノが俺の持っている箱に気付いた。
「あ、これ…これは、この間、マナブで食べた、
抹茶の…」
「あ!あのプルプルのやつ?
わざわざ買ってきてくれたんだ!嬉しい♪」
そう言ったニノの笑顔に、
俺の心臓は大きく弾んだ。