第4章 琥珀色の恋【A×N】
【MASAKI】
まさに。
嵐のように札幌公演はおわった。
にしてもさ……
ニノにあのセーターを見つかったことは、
相葉雅紀、一生の不覚!!
咄嗟に、『パジャマ』っつ〜ことにしたけど、
……んな訳ないよな(-。-;)
温っかいホテルで寒いことなんかないし、ましてやセーターなんか着て寝るはずない。
それにあれ、タートルだし。
ホントに寝たら汗だくで風邪引くよ!
マジで…(´д`|||)
ニノ……
信じてないよな?
バカじゃないし……
でも、つっ込んでも来なかった。
もしかして、
勘づいちゃった?……りして…
あ―――――――っ/////もう!!
モヤモヤとぐちゃぐちゃのまま、
抱え込んでた頭をあげると、
……あ、ここ……
移動の車は、日比谷駅の近くを走っている。
この近くに、前にマナブのロケで行った店がある。
「あ、ねえ!ちょっと、この先で停めて!」
「えっ、あ、はい…」
マネは道路の端に車を停めて、
ハザードを焚いた。
「ちょっと、抹茶の練り菓子買ってくる!」
「あれ、注文してないと買えないんじゃ…?」
「頼み込んで譲ってもらう!」
「また~、嵐の特権使うんですね~?」
「いいだろ~!!」
そう。
この間、ロケで行った和菓子店で、
美味しい抹茶の練り菓子をいただいた。
その時のVTRをニノが見て、
「美味しそうだね~」
って…
ニノがそう言ったんだ!!
あのニノが…
食べ物にはあまり関心がなくて、
ラーメン食べてりゃ、文句言わない♪
みたいな…
そのニノが、抹茶の練り菓子を観て、
ぼそりと、『美味しそう』って。
そりゃ~、食べさせてやりたくなるじゃん!!
幸い、お店のお兄さんはいい人で、
俺に予約でしか買えないそのお菓子を、
二つだけ譲ってくれた。
「今度は必ず、予約の電話しますから!!」
「はい、お待ちしてます」
俺はスキップしたい気持ちを抑えて、
小走りに車にも戻った。